selection

 春が二階から落ちてきた。
 リハーサル中、ゆっくりと回転しながら落ちてくる謎の物体が私の元にやってきました。それは桜の花びらでした。多分他の公演での演出で使ったであろうものが、どこかに挟まっていて偶然私のところにやってきたのです。なんとなく私はそれを気に入って実は本番中もPCの上に置いていました。
 本番中、Macのトラックパッドの横に行儀よく置かれているひとひらを見て、少し安心していました。桜は好きです。

隙間産業

 UNiTE. 15th Anniversary oneman live [U&U’s -selection-]
 とてもシンプルに、いい公演になったと思います。全ての演出は思ったような効果をもたらしてくれました。またそれを実現できる優秀なスタッフチームと環境とバンドと私の才能に非常に感謝しております。
 15年という月日は膨大で、私(と希)は途中からの参加ですが、その歴史の中に名前を連ねられたのはとても幸運に思っています。ずっと言っていますが私はV系シーンの中でもとくに運のいい人間ではないでしょうか……?

お腹

 この公演は一年前から告知をしていました。雑に考えると一年の準備をして二時間弱の演奏をしたことになります。未来のある地点から見たら気絶するくらい非効率なエンタメをしているのかもしれません。そればかりかオープニングSEをはじめとした特殊音響のそのほとんどに、自分でわざわざ録音した環境音を積極的に取り入れたりなどしていました。具体的には雨の音、ビニール袋の音、ガラスの音などです。雨の音が一番録りやすい車通りのない場所まで、傘を差して歩いたのを覚えています。

 おそらくですが、環境音などはAIで生成可能でしょう。音楽そのものだってそうかもそれません。少なくとも今年中にはユナイト莎奈ぽいものは完全に生成可能になると思います。でも、今のところ私は無駄なことをして制作することを選んでいます。理由は私がそのような制作が好きだからです。もうそれしかありません。そしてそういうことをする人物を支持してくれる人がいることもとても大きな理由になっています。ありがとう。
 私がお手紙が好きな理由もそういうものがあるかもしれません。わざわざ物理的なものを用意して書きたいと思ってくれたことが、なぜか嬉しいのです(楽しんで書いてくれればいいのですが)。

読みました

 ずっと前から『好きなものを好きでいてほしい』と言っていました。好きでいるその才能はとても価値があります。音楽や小説や絵や映画なんて何の役にも立たないでしょう。だけどそれでいいんです。そのおかげで世界が美しく見えます。あるものの美しさはあなたの美しさです。
 時々、その中にユナイトがいることを誇りに思います。それを再確認できた15周年でした。

 そういえば本番が終わってMacを見てみると、桜の花びらはなくなっていました。春みたいだ、と何故か思いました。また偶然何かの力でどこかへ運ばれてゆき、どこかの誰かの元へ行かないかな? とか、そういうことを少しだけ考えて、私の一日は終わりました。