花が咲く朝

 サーバーの支払い催促がきてこのブログというかHPの存在を思い出しました。
 正直にいうと閉鎖するか迷ったんですが、だらだら文章書ける場所も残しといた方が、自分のためにいいかもという後ろ向きな理由でさっき3年分支払いをしました。

 このブログでは時が止まっていますが、その間5人から4人になり、新しい4人が手を貸してくれ、さらに4人が仲間になり、12人でライブをすることを発表したあと、また5人になりました。バスをつかった足し算の問題みたいになってます。

いつの間にかこんな大所帯に

 全く関係のない事柄が偶然組み上がることになぜか感動を覚えるのですが、この1年間はその連続で、伊坂幸太郎の小説並みにいろんな伏線が回収されたりして驚いてました。結構いい感じです。

 花晨は”花の咲く朝”という意味です。2文字にすごい情報量ですよね。この単語を見つけたときは、すごく貴重な宝物を見つけたような気分になったのを覚えています。

それでは聴いてください。

 歌詞を書くあたりで『ポールヴァーゼンの植物標本』という本をたまたま読んでたんですけど、この本がなければこの曲もなかったんじゃないかなというくらい今回影響されました。
 実際の植物標本とそれをモチーフにした『記憶の葉緑素』という掌編小説が収録されているんですが、なんというか好きなタイプの本でした。

 エピグラフも結構洒落ててルソーが引用されてるんですけど、ルソーもニワカながら結構好きで、私もちょっと真似て歌詞の最後の文章で使ってみました。
『孤独な散歩者の夢想』という厨二病が考えたとしか思えないタイトルの本があるんですがその中の一節が『ポールヴァーゼンの植物標本』にエピグラフとして使われています。

いけすかない写真

 この本は去年(2022年)に見つけて、読む時間はないけどとりあえず買ったみたいな本でした。本の内容は全く知らずに、ただタイトルと装丁がなんか良さそうとかそのレベルだったと思います。
 買ったその時点では、もちろん花晨の歌詞を書くとかそういう段階じゃなかったので本当にたまたま読んでた本です。

 FCのインタビューでも言ったとおり、花晨のデモ版は一年以上前にあって、その仮タイトルは『一輪挿し』でした。なんとなく花が好きだったときに作ったんですね。多分。
 そして時を経て希くん(お花くん)がメンバーになってくれて、ガーベラが周年のフライヤーに使われて、それから『ポールヴァーゼンの植物標本』を読んでました。
 なので改めてこの曲に再会したとき、身の回りがなんだか花とか植物で埋め尽くされた感覚になったのを覚えています。
 大袈裟に言うときっと自分が書かないとダメなんだなと、自意識過剰的に思ってました。

 歌詞には、丸くなってしまった私の全ての丸さがあるのですが、割とどこの部分も気に入ってます。歌詞ができたとき希さんが「サビの歌詞いいですねえ!」って言ってくれたのをまだ思い出します(言い方のテンションは思い出せません)。というか曲ができたときも「すごい歌うのワクワクします!」って言ってくれたのすごく嬉しかったです。恥ずかしくてあのとき言えませんでした。
 希さん歌ってくれてありがとう。これからたくさん歌うことになる『花晨』がもっとよくなることを想像すると嬉しいです。今年中にタメ口使ってくれることを切に願っております。
 もちろん楽器隊も最高の演奏をありがとう。対バンをあんまりしない間に謎の進化を遂げて音が良くなりまくった竿隊のおかげで、ドラムの音までよく聴こえます。

 そして気を失うくらい長いこの文章を読んでいる奇特なあなた。ありがとうございます。誰に向けてかと言われれば、あなたに向けて曲を書きました。
 理由になりますように。