高田馬場AREAは和菓子の味がする。とくに芋ようかんの。スタッフが甘やかしてくれるので和菓子を買ってきてくれる。メンバーで食べるのは私だけ。
秋ツアー『アンコーク』初日は高田馬場AREAでした。ありがとうございました。ライブでドラムを叩くのが楽しかったことを思い出しました。
このツアーどういう風になっていくんでしょうか。もっと激しくなっていくんでしょうか。想像できてないですが11月4日にまた東京に帰ってきます。その前に全国各地で逢いましょう。
『赧い蝶』のことを少し。
『赧い蝶』は本当はもっと別の曲で使おうと思っていた歌詞モチーフで、こんなに激しい曲に乗るのずではなかったんだけど、乗ってみると意外とありで、むしろ黒ユナイトじゃなかったら使えなかったかも。助かった。
前回の記事でも触れたこの『赧い』という漢字は、室生犀星の『蜜のあわれ』という小説で出会ったもので、何故か読後もずっとこの漢字のイメージが残っていていつか使おうと思っていたもの。『蜜のあわれ』自体はすごく性的な作品で、金魚が女の子になって老作家(明らかに室生犀星自身)といろいろと交流するとかいう妄想みたいな話なんですが、全体的に面白いです。
そういうこともあって、この『赧い』という漢字と性的な印象が結びついてしまって、以前から書いてみたかった内容の歌詞ともリンクしてこの曲の歌詞とタイトルができたわけです。
そしてもう一つ、泉鏡花の『外科室』という小説の一節も登場してきます。『その声、その呼吸、その姿』というセリフです。サビの歌詞に少し似た形で出てきます。なぜこの作品を引用したのかはあまり言いたくないので秘密ですが、このセリフだけでなくこの後のシーン全体がとても印象的で不思議な美しさにあふれていて好きです。少し読むのが難しいですが。
『蜜のあわれ』『外科室』共に著作権が切れてるので青空文庫でも読めます。興味のある方はどうぞ。
・蜜のあわれhttps://www.aozora.gr.jp/cards/001579/files/53503_62102.html
・外科室https://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/360_19397.html
更に『赧い蝶』とは直接関係ないですが、興味と時間があれば、三浦悦子さんという人形作家さんが『外科室』そして同じく泉鏡花の『化鳥』をモチーフに胸像を作られていますので調べてみてください。あまりに素晴らしい作品だったので買いたかったです。できればドラムセットに飾りたい。
Live Photo by 西槇太一
http://taichinishimaki.com