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 最近買った鍵盤の上にパソコンのキーボードを置いてタイプしています。机が狭いのです。卓上にはものが溢れていてSSDからルービックキューブからメモ帳から充電機器から何から何まで節操なく放り出されています。というか鍵盤を置くために移動させた本たちも、本当は本棚に置くべきなんですが、スペースがなく床に置いてあります。つまり私はそういう奴なのです。

 そんな奴なので、どうしようもない時期もありました。普通に学校に行くこともできなかったり、家から出れなかったり。でも、10年間ユナイトというバンドは続けてこれました。当たり前ですが、今までの人生で1番長いバンドです。

この後10年もバンドする奴。

 私はたまに言っていますが、音楽を辞めたいなと思ったことは一度もないです。ですが、莎奈を諦めようかなと思ったことは何回かあります。表立ってステージに立つ人間は、ある意味では特殊な鈍感さと特殊な繊細さを持っていて、私にはそれが欠けていると常々思っていたからです。要するに向いてないなと思っていました。
 結局のところその部分の根本解決はしてないのですが、運良くメンバーや周りの人やファンや環境に恵まれて、ここまでやってこれました。
 10年間で沢山の人のお世話になり、沢山の人を傷つけました。多分自分も沢山傷つけたように思います。まだまだ多分人の気持ちや自分の気持ちに気づかないことも多くて、転がりながら進んでます。それが良いことなのかわからないですが、少なくとも今のユナイトには出会えていて、それが今は幸福です。

240901ピンずれ

 昔はいつも周りを見て、どうしてそんなに普通に幸せそうに生きられるか不思議でした。世の中はいつも変だった。でも自分が、そんな世の中を変える力なんて何もない凡庸な人間だということも知っていました。だから、音楽に触れた時もこれで世界が変わるとも思ってなかった。ちょっと器用に振る舞える領域だなくらいに思ってました。
 むしろ音楽が引き合わせてくれた人との関係の中で、世界よりも私が変わっていきました。つまり大人になったのです。

 10年もやっていると(バンド歴自体は13年くらいですが)、長く応援してくれている人から最近知ってくれた人までいろんなグラデーションがあります。そのどれも私にとっては大切です。あまり上手な伝え方ができる自信がないのですが。
 長く私を応援してくれている人にはもちろん相当の感謝をしています。稚拙なコミュニケーションしか出来なかった私を辛抱強く見守ってくれていたと思います。うまく表現できなかったけど確実に私の心の支えの一つでした。でも本当にあの頃から応援してたの本当にセンスありますね。
 他方で、最近知ってくれた人にも当たり前ですが感謝をしています。加入10周年のお祝いの言葉の中には『過去をあまり知らないので祝う権利ないかもしれないですが』みたいな言葉をよく目にしました。
 私はあなたみたいな”最近知ってくれた人”の存在に自信をもらっています。長くやっていくと、もう誰にも刺さらないのではという恐ろしさがあるのです。そんな中で、最近知って応援してくれる人の存在はかなり自信になります。自分の過去が少し報われた気になります。だから過去一緒に過ごせなかった時間を悔やまないでください。

240817鏡の反射
240818青

 私の家庭は兄弟のさまざまなものが色で分けられていました。例えば収納ボックスに色分けされたシールが貼られており、誰のものが入ってるかわかるようなシステムになっていました。妹は赤、弟は緑、そして私は青でした。多分母が勝手に作った決まりでしたが、生まれたときからなんとなく青は自分の色という感覚になりました。
 それから数十年が経って、もう母は何も関与してないにも関わらず相変わらず私には青がいます。きっともうこの先もずっと離れることのない色。
 この10年で青色がより好きになりました。私を受け止めてくれて本当にありがとう。