自分の誕生日イベント、今年は30日、31日と2日間使わせていただきました。関わってくれたみなさん本当にありがとうございました。
ずっと疑問に思っていたことがあって、それを31日のライブにぶつけました。僕なりの復讐です。ただ、誕生日って自分だけの日であって自分だけの日ではないので、そのために30日も用意してもらいました。この極端さが僕の誠意と、それから不器用さです。
本当は全部の曲について話したいこともあるっちゃあるんだけど、そのスペースはないので簡単に。どれも大好きな曲たちです。『サーチライト』は莎奈の、『いつか来るその日のために』は僕自身のテーマソングです。
30日は比較的ラフに選びましたが、31日に関しては美しいと思う曲たちだけを集めました。入場した瞬間からライブが始まってるような雰囲気を意識して。ちなみに『Tears of Joy』に関してはジェリー・グッドマンという方の曲なんですが、僕が好きなトッドサッチャーマンというドラマーがやってるバージョンを流しました。音源化されてないのでyoutubeとかで探してみてください。笑
30日のほうで新曲の『離見』を初披露しました。どうだったんでしょうか。歌詞読んでもらえればわかると思うのであんまり多くは言いませんが、簡単に言うと「偽物に負けたくない」って曲です。
31日とは対照的なサービス的に用意された30日なんですけど、どうしたら楽しいかな? と初めてくらいに沢山考えてセットリスト、進行を作りました。別に激しいだけがライブの楽しさじゃないと思うけど、”わかりやすさ”があるのがいいと思って。
個人的にはEndSEでショスタコーヴィチを流せたのが嬉しかったかな。笑 多分レニングラード・フィルで指揮者はムラヴィンスキーさん。
いい顔してる。
そんなに上手に弾けなかったのがとても悔しい。笑 メンバーもとても練習してくれて、特にハクさんなんかはずっとシャウトの練習してて、ついにシャウトできるようになってた。笑 またいつか聴けるかもね。
赤い。
折れとる。
みんなが怖かった。ゾンビかお前ら。
元々V系じゃなかったと言い続けて7年くらい。すっかりV系活動のほうが長くなっても、やっぱり”根っからの”じゃないから、理解し難い部分とかも勿論あって、自分なりに消化し続ける日々です。けど、このジャンルならではのライブでの遊びも今は楽しく思えてます。醍醐味とはまだ思わないけど。
MCでも言った気がするけど、この複雑な体験とか、みんなにはいい体験させてもらってると思ってます。その分、いい体験させてあげたい。ライブだけじゃなくてもね。
タイトルの〈遠い色 遠い部屋〉は谷川俊太郎『青は遠い色』、カポーティ『遠い声 遠い部屋』がモチーフです。自分の背負ったものの大きさと、無意識みたいなものが出ればと思って……。少し恥ずかしい。
いつもライブで曲を”ちゃんとやりすぎる”と、次の曲で切り替えができないことがよくあって、その度に自分が行方不明みたいな気分になるんだけど、31日はそういう切り替えをしなくてもいいように流れを組みました。だから一応流れ自体には自分なりに意味はあるんだけど、説明するのも変なので意味は自分で決めてください。決めなくてもいいです。
こういうライブをするバンドだったらきっと今いる沢山の人に出会えなかったでしょう。そういう日でした。多くの人には扱いづらいライブだったと思います。あくまで予想ですが僕にはそういう評価です。
けど、自分の中で本当にライブをしたなって感じられるのはこういう日でした。悲しくなくても泣いたり、悲しい曲で笑えたり、その間の感情とか……というかそもそもそういう単純化された言葉で表現できないような、感情にもなってない状態になったり、なれるのが、あの場所だったりすると思うんです。
だからライブでもなんでもそうですけど、自分の感情に素直でいてください。楽しいと思えたときに、悲しいと思えたときに、名前のない感情で溢れたときに、そのままでいてください。それが一番素敵だしすごいことだと思ってます。
この下らないことで溢れてる世の中で、自分が生きているのは間違いなく音楽とか小説とか写真とか映画とかその他いろんな好きなものがあるおかげなのは間違いなくて、それらと出会うために生まれてきて良かったとさえ思えます。身を護るための物になったり自分を表現するものになったり使い方は様々ですが、誰にも理解されなくてもこの美しさを自分は知っていると思えば生きていけます。
その不合理さこそが生きる糧になると心底信じてるので、僕はきっと一生、好きなものが好きでしょう。それにきっと不器用じゃなかったらこれらに出会えなかった気もします。だから不器用で良かったと思える一瞬も、まあたまにはあります。それくらいには僕は成長しました。だからあの日は、”この場所に居れてよかった”と思えました。ありがとう。
生まれてきて良かったです。
Live Photo by nishinaga “saicho” isao
http://saicho1982.tumblr.com