試写会に招待されたこととか

 映画配給会社のファントム・フィルム様に招待されまして来年1月18日公開の映画『ライ麦畑の反逆児/ひとりぼっちのサリンジャー』の公開前試写会に行ってまいりました。
 ”関係者席”  と張り紙された席にビビりながら座って映画見てきましたよ。

 ファントム・フィルムの方が私のTwitterを見てくださったようで、そこでサリンジャーが好きだのなんだの書いてるツイートを見てくれて、招待いただいたようです。何があるかわかりませんね。好きなもの発信しててよかったです。そして発見していただいたI様に感謝です。

 サリンジャーを知らない方に説明すると、アメリカの小説家で米文学史においてとっても重要な人物の一人です。どの作品も独特の寂しさと無垢さが痛々しいくらいに書かれており、爆発的に世に出た1950年代頃から若者を中心に圧倒的な支持を得ていたそうです。今ではどの世代も読んでる印象ですね。代表作に『ライ麦畑でつかまえて』『ナイン・ストーリーズ』『フラニーとゾーイー』等があります。私は『ナイン・ストーリーズ』に収録されている『バナナフィッシュにうってつけの日』が好きです。終わり方に衝撃を受けたの今でも覚えています。

 

 実際の映画のほうですが、晩年世の中から遠ざかるため作品を出すことなく、隠遁生活をしていたサリンジャーの半生自体が映画になるのはなんというか皮肉な感じがしますが、現代に生きる僕らとしては貴重なサリンジャー体験の1つになるかと思います。実際サリンジャーの人生は謎につつまれていて、映画の中で初めて知ることも多くありました。
 
 映画の中で繰り返し、日常生活と重ね合わさるように執筆のシーンが描かれますが、翻訳家の柴田元幸さんがサリンジャーの良さというのは”耳のよさだ”とおっしゃっていたことを思い出しました。実際のサリンジャーもああやって体験したことを小説に落とし込んだんでしょうか。
 この映画を見るとサリンジャーをもう一度読みたくなります。そして、サリンジャーを知らない人も読んでみようかなと思える映画だと思います。知らなくても楽しめると思うし、興味を持つにはとてもいい映画だと思うので公開されたら見に行ってみてはいかがでしょうか。
https://www.rebelintherye-movie.com

 私は、ずっとキーボードのそばに置きっぱなしにしている『ナイン・ストーリーズ』がこちらを向いてる気がするので、またシーモアグラースに会ってこようと思います。